漆の作業部屋

納戸を改装した狭い5畳ばかりの部屋で作業をしている
部屋には、定盤台と風呂(漆を乾かす戸棚)そして漆とヘラと刷毛。
埃を嫌う漆は、動作を少なくして長時間座っての作業。

皮に金箔を施す

金箔移しの作業を暫らくしていなかったので心配したが、体が手順を覚えて
いた。金箔は10種以上の種類があり、これは正純金2号 直径12p
 金箔の厚さは物に例えたらオブラートを更に薄くした感じなので
僅かな鼻息でも飛んでしまう事があるので息を止めての作業となる。

漆の下地作業


回転ろくろ
下塗りをした皿を耐水ペーパーで
平らに磨いている。


銘々皿の下塗り作業




糊漆で和紙張りの道具


ダカッポ

漆液を入れる桶で、木の皮を丸
めて作り片手で持てる大きさで
ある。木は漆液を採った傷で後は
枯れてしまう。漆液は一本の木
から約200ccの量が採集される
だけで貴重とされる。

切り出し小刀

漆の作業をする中で小刀は、ヘラや
刷毛作りなど木を削る等、必要な道具
の一つでもあります。
市販も有りますが、漆に携る人は自分
で作り、左にある小刀も自作です。
鞘は、朴の木が最良とありますが
私は桐を使い、鋼に合わせながら桐を
削っていきます。
麻布を巻いた物。たこ糸を巻いた物。
ガーゼを巻いた物。乾漆粉を蒔いた
物。装飾も兼ねてますが、先ず握った
時に滑らないようにしてあります。
鋼は鞘から抜いて砥石で研きます。

  棚 
 桐の素材を生かす為、塗りは
   黒漆を拭きながら仕上げました。
   棚の上に香合を飾るのが決まり。
 茶道織田流(k様宅)

白石さんのご主人様のお椀を修理。
朱塗りの椀でしたが溜色に塗り変えて、お椀は新しく
生まれ変わる事が出来た。未年の干支を象形文字で仕上げました。